一般社団法人 湘南くらしのUD商品研究室
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2017年10月17日
 
国際福祉機器展H.C.R.2017(2)
着るロボットニューモデル

主任研究員 柳原美紗子

先般開催された国際福祉機器展H.C.R.2017で、信州大学繊維学部の“着るロボティックウェア「curara(クララ)」”のニューモデルのデモンストレーションが行われました。  
 
 
 開発を担当されているのは、同学部研究室の橋本稔教授です。教授によると、福祉機器展でクララの1号機を出したのは2013年で、その後改良を重ねて毎年出展し、今年で5年目、4号機を発表することになったといいます。  来年は5号機を出品し、これを製品モデルとして販売していきたい、今回のニューモデルの4号機は、そのワンステップだそうです。  まずクララが他のロボットと異なる特徴を大きく3つ、紹介されました。  

 一つは、同調制御法で、人の動きに合わせられ、調整できること。
 二つ目は、相互作用トルク(力)検出法で、人の関節のわずかな動きでも検出することができるセンサーを備えていること。
 三つ目は、非外骨格型構造で、着脱が容易で動きやすく、さらに軽いこと。
 クララは、モーターの力を直接人の関節に伝えて補助する仕組みのヒューマン・フレンドリー・ウェアラブル・ロボット、まさに"着る"感覚の近未来ロボットなのです。
 
 今回の4号機では、2タイプのニューモデルがリリースされています。一つはスタンダードモデルの装着型、もう一つは、パンツモデルの衣服型です。 二人のモデルがそれぞれ装着して登場しました。 
 

 
 
 
黄色い部分がモーターで、ここから発生する力が脚に伝わり、歩行をアシストします。 衣服型はパンツの上から装着するので、パンツもロボットの構造体になっています。デザインもこれまでよりずっとスタイリッシュに変化していて、驚かされました。
 コントローラは重量約5kgと、小型・軽量化し、体の重心に近い腰部に取り付けることができるようになって、より安定した歩行ができるように進化しています。バッテリーも連続1.5時間稼働するとのこと。専用のモバイルデバイスで簡単に操作できるようになり、装着者が一人でも使用できるように改善されています。
 モデルたちは軽やかに歩いて見せ、雲の上を歩いているような感じと、語っていたのが印象的でした。
   
また座ったままの装着も可能になったといいます。関節フレームが脚の前方に固定されたことで、座っても関節フレームが邪魔にならなくなったのです。
 座ったまま着脱するのに、時間はどのくらいかかるのかという実験もありました。結果は取り外すのに32秒、着けるのに1分5秒で、その思いがけない早さにまたしても驚嘆です。
 日本は今や超高齢社会です。要介護者は600万人を超えるといわれています。"着るロボティックウェア「curara(クララ)」"を必要とする人は今後ますます増えるでしょう。1年後に迫った販売が待たれます。
 
 
 
 

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