一般社団法人 湘南くらしのUD商品研究室
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2017年10月16日
 
国際福祉機器展H.C.R.2017
「衣」で注目の商品

主任研究員 柳原美紗子

国際福祉機器展H.C.R.2017が、東京ビッグサイトで9月27日~29日開催され、ユニバーサルデザイン(UD)ファッションへの関心もあって見に行ってきました。  今年は第20回目の記念の年で、様々なイベントが行われ、大盛況のうちに会期を閉じたといいます。出展社は日本を含め15か国1地域から526社(国内447社、海外79社)で、約20,000点の福祉機器が展示され、121,528人の来場者を集めたと発表されています。まさにアジア最大級の規模です。  
 
 とくに「衣」の分野で注目した商品をご紹介しましょう。
 
メディキュア・バイ・グンゼ Medicure by Gunze
これは手術の痕が痛む、肌が敏感で弱いといった医療現場の声をくみ取って、開発したインナーだそうです。グンゼが誇る完全無縫製でつくられているインナーで、特殊な接着剤を使用し、生地と生地を接着しています。ほんとうにすばらしい技術で、これなら不快なごろつきもありませんし、「縫い目が肌に当たって痛い」という悩みも解消です。タグもプリントされているので肌によりやさしい感じです。とくにハーフトップで新しく前開きのものを発表していたのもいいですね。誰もが着けやすくなりました。

 
 
 
実は私もこのハーフトップを購入し愛用しているところです。ほんとうに着け心地がよくて満足しています。 素材は伸びやすい編地の綿リッチ65%混で、綿とレーヨンが主役なので、刺激が少ない、さらっとやわらかい肌触りです。 意外なほど安価なのもうれしいです。  
 
ケアファッションの「おしりスルッとパンツ」
 ユニバーサルファッションのケアファッションが今回、大きく打ち出したのが、「おしりスルッとパンツ」です。 引き上げやすく、ずり落ちない、はきやすいパンツで、医療法人西宮協立リハビリテーション病院と、パンツをはく方の悩みを解決するために共同開発したそうです。 
 
ウエストのゴム部分に表裏ともに滑る生地が用いられていて、前脇部の2カ所にずり落ちを防止する、すべり止めが付いています。手の力が弱くても一人でもはきやすいといいます。  パンツは高齢者にとって必須アイテムです。「こんなのが欲しかった」と思う人はきっと相当多いのではないでしょうか。  
 
濱田産業のゼルボックス補正器から「Tシャツタイプエプロン」
喉頭がんなどで、口頭摘出の手術部を外部の汚れなどから守るTシャツタイプのエプロンです。 見た目は普通のTシャツと変わりませんので、さりげなく手術部を埃などからカバーすることができるといいます。肩にコンシールファスナーが付いていて、着脱も楽にできるとか。ドイツ製でしなやかな綿100%です。裏側にはポリエステルのフィルターが付いていて、手術部を保護します。汚れたときの手入れも簡単といいます。
 
 
またネッカチーフタイプのものもあります。スカーフやネクタイのように使えて、Tシャツタイプと同様に裏側にはフィルターが付いています。汚れた外気が気管へ進入するのを防いでくれるといいます。  

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