2018年06月16日
東京Care Week 2018「リビング・オブ・ザ・イヤー」
高齢者ホームの最新情報が集結
主任研究員 石川裕子
3月14日から16日まで、東京ビッグサイトで高齢社会に必要な商品・技術・サービスの展示会、「東京CareWeek2018」がありました。介護用品や健康機器・健康食品、介護現場における様々な課題を解決する先端技術( IoT、ロボット、AI、VRなど)などが集結しており、非常に参考になりました。
なかでも特に興味深かったのが、優れた取り組みの高齢者ホームを表彰する「リビング・オブ・ザ・イヤー2017」というもので、受賞したホームの発表展示がありました。
これは老人ホームなどを経営する55社の事業者が会員となって運営している「高齢者住宅経営者連絡協議会」が主催するイベントで、2014年から始まり、今年で第4回目ということでした。
8つの部門ごとに審査して、その中でも最もすぐれた所が「リビング・オブ・ザ・イヤー2017」大賞に決定します。今年は広島県の施設、「ありがとう グループホーム」が受賞しました。ここがすばらしいのは、入居者に対し職員が1対1になるように配置される高品質なケアが「月額12万円」で提供されているところです。四季折々の季節の変化が楽しめる庭園があり、入居者のこれまでの習慣や生活を尊重し継続できるよう、例えば「畳、布団で寝起きする生活だった場合は居室を畳敷きにし布団を使う」など一人ひとりに合った環境が整えられ、職員全員が介護の有資格者であり、レベルアップのための職員研修制度も確立されています。「コストパフォーマンス部門」で最優秀賞をとったのもうなずけます。
他にも「介護看護医療サービス」「地域連携」「食事サービス」「イノベーション」「職員評価」「入居者の活動と参加」「地域環境貢献」の7部門でそれぞれ最優秀賞が選ばれ、紹介、展示されていました。
高齢者住宅といってもそれぞれに特徴があり、よりよいサービスの提供のために事業者も工夫をこらしているさまが見てとれました。高齢者虐待のニュースを聞くにつけ、こういう催しがあることで介護業界で働く方々のモチベーションを上がり、高齢者が安全で質のいいサービスを受けられるようになるよう願っています。