一般社団法人 湘南くらしのUD商品研究室
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2016年5月1日
 
大妻女子大学でユニバーサルファッションショー開く 

主任研究員 柳原 美紗子

「衣服におけるバリアフリーの提案 ― 身障者と健常者が共有できる服 ―」

大妻女子大学千代田キャンパスで、3月末、ユニバーサルファッションショーが開催されました。これは同大学家政学部
被服学科の大網美代子先生が、研究を進められてきた障害があっても着られる衣服のファッションショーです。
テーマは「衣服におけるバリアフリーの提案―身障者と健常者が共有できる服―」で、大網先生は、次のように語っています。「身体に障がいを持っている人が、着たい服が着られないという社会のニーズに対して、大学ならではの立ち位置で
提案したい」。そしてショーに至る経緯について、きっかけは埼玉県総合リハビリテーションセンターからの電話で、
「身体が不自由な方の服はできないか」という相談をされたことだったそうです。そこで、平成25年から、被服学科の
ものづくりとしての教育的な視点と女子大生の感性を生かした商品開発の双方を追求する取り組みを始めたといいます。
アパレルの現状を見ると、大妻女子大学でユニバーサルファッションショーを開くための服は手に入らず、サイズ展開がない。
あったとしてもインナーやルームウェア的なもので、外出着やフォーマルウェアはほとんどない。個別に対応していくしか
なく、オーダー服となると高額になる-----、など不満が多い。これを解消するために、先生の研究室では、
①身体機能や安全に配慮した服、
②ファッション性がある服、
③衛生的で手入れが簡単な服、
④価格を抑えた服を軸に、
衣服を開発したといいます。デザインでは、機能美に特化し、着脱のしやすさ、可動域の考慮、車いすの方に向けて
座位姿勢への対応に留意。20代でも50代以上のシニアでも着用でき、また男女差のない服を目指したとも。ショーには、
埼玉県総合リハビリテーションセンターの利用者、男性一人を含む5名と大学生がモデルとして出演。女子大生と共有できる
服の数々が披露されました。
 
とくに秀逸と思ったのは、着用者が着方を自由に変化できるデザインです。フリルのケープをぺプラムやスカートに
変化させるなど、パネルの付け替えで変えられるアイディアのある服がたくさん登場しました。
フィナーレは、明るい色彩のインクジェットプリントのブラウスと、ソワレのロングドレスで締めくくりました。
ドレスは襟元のボタンとボタンホールに仕掛けのある美しいものです。
いずれも工業用パターンに落とし込み、量産化を考えているとのことで、今後の展開が楽しみです。

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