一般社団法人 湘南くらしのUD商品研究室
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2022年09月05日
 
人生100歳時代、フレイル・認知症を予防するヒント
要介護の要因トップは認知症

代表理事 柳原美紗子

  

  フレイルとは、加齢や慢性疾患の積み重なり、脆弱、ストレスなどによって生活の自立が損なわれやすい状態。介護が必要なほどではないものの、身体・認知機能が低下し、「要介護の予備軍」とも言われています。
  先般、東京都健康長寿医療センター 理事長・医師で日本老年学会 理事の鳥羽研二氏による「フレイル・認知症予防~100歳時代、人生の後半をどう生き抜くか~」と題した講演会に参加して、要介護の要因のトップが現在、認知症であることを知りました。10年くらい前は脳卒中でしたからちょっとビックリ! 次いでフレイル、転倒・骨折となっています。とはいえこれらの状態は合併しやすく、転倒・骨折からフレイルになり、認知症へ移行することは珍しくないといいます。

  認知症にならないために、注意すべきはフレイルです。フレイルと診断されるのは下記の項目で、3項目以上がフレイルとされ、1から2項目でフレイル予備軍と診断されるとのことです。(私も気を付けなくては---)
・歩く速度が遅くなった。青信号が最初からでないと渡れない気がするなど。歩行速度低下 <1m/秒 
・握力が弱くなった。牛乳の紙パックが開けにくいなど。握力低下 <26Kg男性、<18Kg女性 
・疲れやすく、元気の出ないことがある。
・活力低下で、沈みこむことがある。 
・食が細くなり、痩せてきた。体重減少 年間 > 4~5 Kg 
・寝つきが悪い、または夜目覚める。
・物忘れが気になる。しまい忘れが増えた。
・外出することが少なくなり、友人との交流が減った。

  フレイルを予防するには:
  まず転倒予防です。定期的な運動が重要で、背中が丸くなると、体重が前にかかり、転びやすくなるといいます。
次に朝昼晩バランスよい食事をすること。おすすめは和食プラス乳製品の「地中海食」で、キーワードは食品の多様性です。
  さらに知的活動です。昔話や同窓会など回想法は認知機能の改善に良いとのこと。脳のトレーニングパズルや語学などの教室、ペットを可愛がることなども物忘れや抑鬱の抑制につながるといいます。
  最近は元気な高齢者が増加し、日本のフレイル頻度は減っているそうです。令和2年度の厚生労働白書も、65歳以上の男女はともに身体機能がこの20年間で飛躍的に向上していると指摘しています。これからはウェアラブルやロボットなど革新的技術の利用で、ますます若返ることでしょう。

  人生100歳、フレイル・認知症を予防して、この長寿時代をどう生き抜くか、ヒントがいっぱいの講演でした。


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