一般社団法人 湘南くらしのUD商品研究室
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2019年6月4日
 
19/20秋冬AFWT  ハハ「アシスモーション」テーマに
モードの観点からみたユニバーサルファッション、"ユニバーサルモード"

主任研究員 柳原美紗子

 東京・多摩ファッションネットワークのハハ(ha ha)は、ユニバーサルファッションを手掛ける希少なブランドです。このハハが、今期AFWTに参加し、渋谷ヒカリエにて"ユニバーサルモード"をコンセプトとするショーを開催しました。リリースによると"ユニバーサルモード"とは、ユニバーサルファッションをモードへと昇華したデザインであるとのこと。提案されたのは機能性優先ではない、身に着ける楽しさを第一に考慮した、モードの観点からみたユニバーサルファッションの新作でした。

 テーマは「アシスモーション」です。これは「アシスト(Assist)+モーション(Motion)」の造語だそう。
 ランウェイでは、動作(動き)を補助する服、着用することで背や腰にかかる負担を減少させる服、車いす使用時の使いやすさを配慮した服が登場。人とファッションと機能、この3つの視点から考案された、近未来的ともいえるワードローブを着装したモデルたちがウォーキングしました。
 たとえば補正具です。内側に隠れたコルセットもファッションアイテムの一つと考え、アウターの上に重ねてみたり、またトレンチコートやブルゾンの背中の肩甲骨あたりにジッパーを付けてコルセットとのレイヤード感を演出して見せたり。


 また車いす向けには、タイヤによる汚れを防止するために袖の内側に防汚素材を使用したり、袖口も複数の開きを付けて邪魔にならないようにコンパクトにまとめてみたり、背面にはクッション性のあるウレタン材を使ったり。とくにコートでは着座時に差し障りにならないように後ろ裾が外れる構造や、前裾がひざ掛けになるつくり、裾を折り上げると二重見頃のショートコートにもなる型など、様々な工夫や仕掛けが施されています。
 左は、車いすモデルのアスリート、ウィールチェアラグビーチームBLITZの菅野元輝選手です。
 車いす使用時と補正具装着時、通常の使用時と、3パターンの着こなしができて、ジェンダーフリー、幅広い年齢に対応する、しかも華やかな女性らしさも忘れない"ユニバーサルモード"が続々。着用する人への思いやりいっぱいの、すばらしいコレクションでした。






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