CareTEX(ケアテックス)2020・東京ケアウィークが2月12日から14日まで東京ビッグサイトで開催されました。これは介護・医療・健康からそれにまつわる先端技術やまちづくりまで「豊かな人生100年時代」を支援する、6つの展示会の同時開催で、非常に規模の大きいものでした。全部回っているととても時間が足りなくなるので、介護用品展と、介護テクノロジー展を中心に回ってきました。
特に印象に残ったのは、九州工業大学発ベンチャー企業が開発した「世界初洗える布型離床センサーシーツ」ヌノールです。介護の現場で使われる離床センサーには加重センサーを使ったものや赤外線センサーやカメラなどを利用するものがありますが、前者は寝返りや人体以外のものにも反応してしまい、後者は被介護者から監視されているようなイメージがあり、シルエットが映るなどプライバシーの問題もあります。このシーツはそれらの問題を解決し、布状センサーも厚さ0.9ミリで洗えるとのこと、今後発売予定とのことでした。またオムツ内の湿り気に反応して知らせてくれる使い捨てタイプの「排泄センサー」も開発中とのことでした。
また、かがむ動作がおっくうになってきた高齢者や障碍者が、立ったままで足を入れ踏み込むだけではける靴、株式会社アイキの「らっく 楽靴」や株式会社ムーンスターのリハビリ用シューズで、ベルトを引っ張るとベロが連動して起き上がり、履き口が大きく広がって着脱が簡単にできる「Vステップ」の靴、玄関口のカギの開け閉めに便利な「静脈認証システムの鍵」、認知症高齢者の位置情報を通報できる「QRコード付き衣服ボタン」、
見守り機能付き服薬支援ロボット「FUKU助」など、IOT・ICTを活用した商品やサービスが多く見られたことも、この展示会の特徴でした。
高齢者のますますの増加で様々な介護問題がクローズアップされる中で、課題解決のために最新のテクノロジーを用いて研究開発されている商品が多々見られ、とても有意義な展示会でした。
2020年3月28日
CareTEX 2020・東京ケアウィーク
介護現場の課題を解決する最新テクノロジー
主任研究員 石川裕子